6病棟(回復期リハビリ病棟)
1 病棟紹介
回復期リハビリテーション病棟は「地域におけるリハビリ医療を提供 し、入院そのものがリハビリとなり退院後の生活に反映できるように チーム連携を図り支援します」を病棟方針として掲げ、医師・リハビリ スタッフ・医療ソーシャルワーカー等と連携を図りながら、生活支援を 行っています。365日休みなくリハビリを実施し、家屋調査実施、多職種カンファレン ス開催、転院先や施設及びケアマネージャーへの看護要約による情報提供等 の充実への取り組みをしています。
今後も地域包括ケアシステムを視野にいれながら、院内・院外の多職種 と連携を図り、退院後の生活に不安がないようカンファレンスの充実、 退院指導、継続支援に尽力したいと考えています。
2 リハビリ病棟の目的と対象疾患
脳血管疾患や大腿骨頚部骨折、腰椎圧迫骨折、術後廃用症候群などの患者に対し①日常生活動作の改善がはかれ
②寝たきり予防ができ
③家庭復帰
を目的としたプログラムを多職種(医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、薬剤師、栄養士)が作成に関わり、これに基づきリハビリを行う病棟です。
疾患 | 発症から入院 | 入院期間 |
①脳血管疾患、脊髄損傷、クモ膜下出血のシャント術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症もしくは手術後の状態または、義肢装具訓練を要する状態 | 2ヶ月 | 150日 |
高次脳機能障害を伴った重症脳血管疾患、高度の頚髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷 | 2ヶ月 | 180日 |
②大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折または2肢以上の多発骨折の発症後または手術後 | 2ヶ月 | 90日 |
③外科手術または肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後の状態または発症後 | 2ヶ月 | 90日 |
④大腿骨、骨盤、脊椎、股関節または膝関節の神経、筋または靭帯損傷後 | 1ヶ月 | 60日 |
⑤股関節または膝関節の置換後 | 1ヶ月 | 90日 |
3 リハビリ病棟の特色
当院は、「回復期リハビリテーション入院料3」を基準にしています。その主な特色は、
・看護職員の数は、4割以上が看護師であること。
・専任のリハビリテーション科医師1名、専従の理学療法士2名、作業療法士1名
・在宅復帰率が1ヶ月6割以上あること
・新規入院患者の2割以上が重症の患者(日常生活機能評価10点以上)で、
その3割以上が退院時に3点以上の改善が必要です。
上記の要件を満たしながら、急性期病棟と違い、「自ら出来るようなること」を目指し日常生活動作訓練取り組んでおります。
現在の患者さんの特徴は、高齢者で認知症を伴う場合が少なくありません。
リハビリ病棟では、食事は3食ともベッドから離れデールームで、テーブルを囲み会話を楽しみながらしていただいています。これは日常生活訓練になるばかりでなく、会話が脳の刺激にもなる効果があります。
4 積極的に行っている活動
1)患者カンファレンスの充実に努めています。・初期カンファレンス 病棟スタッフ・リハビリ担当・社会福祉士が参加
・合同カンファレンス 病院内担当者の他に患者・患者家族、ケアマネージャーや施設職員が参加し、問題点に対する方向性の検討を行います。
・退院カンファレンス 合同カンファレンスと同じ参加者で退院に向けた具体的な計画と確認をしていきます。
2)チーム別に日常生活で獲得して欲しい基本動作の訓練に努めています。
週1回のリハビリとの多職種カンファレンスで対象者の検討と評価をします。
・更衣訓練チーム 病衣から私服への更衣(袖通し、ボタンかけ外し)
・排泄訓練チーム トイレに行き排泄する、その際ズボンの上げ下げをできる
・口腔ケアチーム 口腔内の清潔が保てるようブラッシングの指導、介助嚥下体操の実施(毎週木曜日)
3)朝のミーティングはリハビリ技師も参加し、患者のリハビリ進行状況に合わせた移動手段の変更の意見交換を行う、それにあった危険防止対策がなされているか等、ベッド周囲の環境調整をしています。
4)研修会への参加
入院患者の特徴から様々な研修会への積極的な参加と、病棟スタッフへの伝達をしています。
平成29年度参加実績 医療安全関係:6名
脳卒中・認知症関係:12名
その他(緩和ケア、感染、口腔ケア等):7名
5 病棟から
回復期リハビリ病棟は、身体が回復していく喜びを患者さんとともに味わえる病棟です。骨折で動けなかった患者さんが歩行で退院できる。食事は経管栄養だった患者さんが、口から食べる事ができるようになる。そのような姿が見たくて、回復期リハビリ病棟のスタッフは、これからもリハビリプログラムに取り組んでまいります。