小児外科 ※要予約
診療内容
小児外科は現在のところ、月1回(第4火曜日・午前中)の診療ですが、地域の小児科の先生方と連携をとりながら、より質の高い小児医療の一翼を担っています。さて、小児外科医は小児における「一般外科医」で頚部から始まり、心臓外科以外の胸部外科、肝胆道系及び直腸肛門まで含む消化器系、腹膜を含む腹部外科を扱います。
また、小児外科の症例としては「鼡径ヘルニア」「臍ヘルニア」「腸重積」「乳児痔瘻」「体表の小腫瘤」などを扱います。そのほか小児科医の分野である小児の便秘も比較的多く扱っています。
また、小児外科医が扱う疾患の詳細は日本小児外科学会ホームページに記載されています。日本小児外科学会-小児外科で治療する病気(外部サイト)
今後、上記症例等がございましたらご相談ください。
医師紹介
役 職 | 氏名 | 担当分野 | 専門医資格・所属学会等 |
非常勤医師 | 連 利博 | 小児外科 |
医学博士 日本小児外科学会認定医 日本外科学会認定医 日本小児外科学会指導医 |
小児の便秘外来を開設
一般成人の外来では便秘はよくある訴えですが、実は、こどもでもよくある問題です。こどもの便秘の要因に、外科的疾患が隠れていることがあり、小児外科医が便秘症のこどもを多く経験しており、当院でも、「便秘外来」としての対応を開始しました。
特に新生児・乳児の場合、外科的疾患であることもめずらしくありません。一方、幼児から学童においては、こどもの心理的な要素や親との葛藤などの背景因子もあることが多く、親への十分な説明と理解が鍵となります。そのため、排便障害に詳しい小児外科医が小児便秘外来を開設することは大いに意味があると考えています。
年齢別に病名・症状等を紹介しますので参考にしていただき、気になる場合はお早めにご相談ください。
1 新生児期 (原因疾患を列挙します。)
①先天性腸閉塞、狭窄
②胎便病
③ヒルシュスプルング病及び類縁疾患
④直腸肛門奇形
⑤未熟児肺や肺炎、電解質異常などに伴う機能性イレウス
⑥甲状腺機能低下症 ⑦母乳が不足してミルク摂取量が少なく便量が少ないための便秘
2 乳幼児に顕在化する神経原性の便秘症
①脳性麻痺
②脊髄髄膜瘤、二分脊椎、仙骨無形成等(新生児期から乳幼児期にかけて発見されることがあります。)
3 2、3歳以降に見られるよくある慢性便秘症
4~5日自然排便が見られない事例ですが、習慣性で、機能性便秘症とも言われています。心理的な要素が強く、例えば、たまたま硬便で肛門が傷つき出血や痛みにより排便するのが怖くなってしまうこともあります。
ひどい場合には、便貯留により液状化して下痢として訴えることもありますが、実際には塊便が直腸に存在します。液状便を漏らすので、遺糞症という病名が付けられることもあります。また、少し 神経質なお子さんでは、いきみすぎることによる脱肛や直腸脱を起こすことがあります。
このような場合、和式のようにしゃがませるといきみすぎの原因になるもので、洋式のように座れるおまるや排便補助便座が必要かも知れません。
便秘には、一般的に繊維の多い食事が重要です。治療は、状況に合わせた対応が必要です。難治性の便秘の場合は浣腸が必要となりますが、こどもにはトラウマとなりますので、浣腸を繰り返すようならば、お早めにご相談ください。
子どもの救急ガイドブック
休日や夜間など、医療機関が休みの時に、急にお子さんの具合が悪くなったらどうすればよいのか、迷うことはないでしょうか。
このガイドブックは、保護者の方に、お子さんの急な病気やけがの対処方法などをお示しし、症状をしっかり把握し、あわてずに落ち着いて対応していただくことを目的に作成しました。
「すぐに医療機関に行くべきか? 明日まで待つべきか?」について、チャートでわかり易く示していますので、参考にしてください。
日ごろから、このガイドブックをご覧いただき、いざという時あわてずに行動ができるようにご活用ください。