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管理者あいさつ

 

事業管理者
鮫島 幸二


 令和7年度の当初にあたりご挨拶申し上げます。
 当院は良質な医療を提供し市民に信頼される病院を目指すという基本理念に沿って今年度も努力を続けて参ります。
 昨年度、当出水総合医療センターは米ノ津町立米ノ津医院として創設して以来100周年を迎えました。本年3月に関係者多数のご臨席のもと記念式典を行い、これまで長く当院を支えてくださった医療関係者、行政の方々、市民の皆様に感謝するとともに、101年目となる今年度も変わらず出水地域の医療に貢献できるように職員一同気持ちを新たにしているところです。
 今年は春の訪れが遅いのか、昨年より桜の開花も遅くなっているようです。出水地方もこの冬いつも以上に寒波が厳しかった印象ですが、それでも名物の万羽鶴は陽気な穏やかな日に合わせて次々と北へ帰って行きました。今年は鳥インフルエンザの被害や影響も少なくほっとしました。また昨冬に一時大流行したインフルエンザや新型コロナウイルス感染症ですが、感染対策を十分に行うことで、病院運営も通常通りにできるようになりました。
 さて、出水地域も他の地方と同様にじわじわと人口減少や高齢化が進んできています。これにより出水地域で必要とされる医療にも当然変化がでてきています。しかし診療においては当院だけでは医師不足などにより十分な医療を提供できない分野もあります。このことも十分考慮した上で、他の医療機関との連携をさらに密にし、総合的に地域に必要な医療が提供できるように努力して参ります。
 引き続き当出水総合医療センターへのご理解とご支援をよろしくお願い致します。

敬具


 

院長あいさつ


院長
花田 法久

 昨年度、当院は創立100周年を迎えました。大正14(2015)年に米ノ津町立米ノ津医院、外科内科の5床での開院でした。徐々に発展を遂げ、1995年には330床まで増床、1990年代には2度の優良自治体病院として表彰を受けたこともありました。あれはバブルだったのでしょうか?2004年にはじまった新臨床研修医制度を機に、当院の常勤医は37名から16名まで激減、長いトンネルに迷い込んでしまいました。そんな中、出水郡医師会の先生方が夜間一次救急に立ち上がって下さいました。熊本大学は以前から変わらぬ支援を、福岡大学、鹿児島大学も支援に乗り出していただき、現在の常勤医は30名、他の職種も毎年新人を迎えることができる状況になっています。
 令和になりコロナ補助金で一息付けたのは事実です。コロナ明けはどうか?厳しいと言わざるを得ません。長いデフレからの脱却を掲げる世の流れです。物価上昇、それに見合う労働賃金の上昇が課せられています。一般企業 は商品に付加価値を加え、収益を上げ、労働賃金に還元することができます。医療界はどうか?付加価値を加え、収益を上げる方法はごくごく限られています。2024年の診療報酬改定はわずか0.88%の上昇でした。医業収入の価格は国によって決められており、自由競争ではありません。昨年から人件費は2%、さらに1.5%の上昇を勧告されています。これでやっていけるわけがありません。簡単な算数です。日本全国の医療機関が危機にさらされています。大量閉院の結果、生き残った医療機関で人口減の社会に対応すればいいという国策なのでしょうか。不平ばかりではいけません。No complain です。今できることはないか?患者のためになる医療サービスのさらなる提供、その結果単価は上がり収益を上げ病院の延命を図る。そんな心境ですが、開発できる分野をみんなで考えていきます。「治す医療」から「治し支える医療」へ、そこにヒントはあります。住民から必要とされる医療を提供し続ける病院を目指して、出水保健医療圏全体で、解決方法を模索していく時期に来ていると感じています。