出水総合医療センター

出水総合医療センターの診療ビジョン

 当院では診療ビジョンを設定させていただいております。
  くわしくはこちらをごらんください。

  出水総合医療センターの診療ビジョン>> (PDF:78KB)

災害派遣医療チームの整備について

 出水総合医療センターは平成9年3月に災害拠点病院に指定されていますが、災害時における医療体制の充実強化の観点から、災害拠点病院の指定要件のひとつにDMAT(ディーマット)(災害派遣医療チーム)を保有していることとあります。
 これに伴い、当院では医師1人、看護師3人、業務調整員1人の5人からなる医療チームを組織し、平成24年8月に兵庫県災害医療センターにて行われた日本DMAT隊員養成研修を受講し、平成24年12月1日付けで、鹿児島県知事から『DMAT指定病院』の指定を受けました。
 なお、隊員数については、大規模災害を想定し、随時、増員を予定しており現在、医師1人(鹿児島県DMAT)、業務調整員1人を増員しました。

DMAT(ディーマット)(災害派遣医療チーム)とは

 DMATとは「災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム」と定義されており、災害派遣医療チームDisaster Medical Assistance Teamの頭文字をとって略してDMAT(ディーマット)と呼ばれています。
 活動内容は、局地災害(航空機事故、列車事故等)や暴風、豪雨等の大規模な自然災害で発生後、概ね48時間以内に他機関と連携し現場での救命処置等の医療活動を行います。また、被災現場での傷病者への医療活動のほか、被災地内災害拠点病院の診療支援、域内搬送、広域搬送等の活動も行います。
 令和5年4月現在、鹿児島県においては、当院を含め21施設が37のチームを保有しており、鹿児島県知事の要請に基づき原則として鹿児島県内で活動を行うことになりますが、知事が必要と認めた場合は県外に派遣されることもあります。(平成28年4月発生の熊本地震には出動し熊本市内の医療機関の被災状況の確認と診療支援を行いました。)
 出水総合医療センターDMATは年間を通し技能維持訓練及び実働訓練等に参加して実務に備えた技能の向上に努めています。

DMATメンバー
平成28年4月 熊本地震
(於:久留米市)診療支援後の集合写真
DMATメンバー
平成29年5月 訓練風景①
(於:西之表市)
DMATメンバー
平成30年3月 訓練終了後集合写真
(於:北薩トンネル防災訓練)
DMATメンバー
平成30年1月 訓練風景②
(於:佐賀県)
DMATメンバー
平成30年2月から配置されたDMAT車両

栄養サポートチームの活動内容について

 当院の栄養サポートチーム(以下、「NST」と略す。)は、「NSTとは何か、何をするのか、どこまでやるのか」など議論を重ね、徐々に発展してきました。その中で、NSTの仕事が明確になりマニュアル化も進みチーム医療として定着しています。
 具体的にNSTの仕事を紹介しますと、各科からの栄養相談に対するアドバイス、NST回診、栄養状態に問題のある症例の検討会、褥創管理、栄養管理に関する当院スタッフへの教育・啓蒙活動・勉強会、栄養調整食品・医薬品(流動食)・点滴用カテーテル・胃瘻用物品など栄養管理に関連のある物品の選定、栄養管理に伴う感染症の制御、学会・院外研修会(JSPEN、TNT研修会、NST研究会,PEG研究会など)への参加、他施設からの研修者受け入れ・NST教育施設としての機能、NSTの活動を充実させるためのNST委員会などです。
 また、臨床検査科による低アルブミン値患者の抽出、薬剤師による高カロリー輸液(TPN)の内容検討、胃瘻造設とその後の管理も行なっています。
 平成22年4月からは栄養サポートチーム加算が新設され、NSTの活動も栄養治療と認められるようになりました。
これからNSTをさらに充実発展させる必要がありますが、当院の行動指針の一つに「チーム医療」があります。院内には感染対策、薬事、保険診療、クリニカルパスなど多くの委員会があり、それぞれ部署を越えて各委員が協力しています。このNST委員会もさらに実績を重ね、成果を出し、地域の皆様に信頼され役に立つチーム医療を行っていきたいと思います。

脳卒中連携パス

出水総合医療センター長 瀬戸 弘

 出水地域は高齢者の割合が高く、脳卒中の患者さんも増えています。当院では平成26年度に当院脳卒中センターを設置し、救急外来に運ばれて来られた患者さんが、よりスムーズな診療を提供できるよう体制整備いたしました。

 脳卒中の患者さんに必要とされる医療、介護及び福祉は、その病期、転帰によって異なっており、地域の専門関係機関が相互に連携しながらその機能に応じた役割を担い、急性期から維持期までを切れ目なく医療連携していく必要があります。

 急性期・回復期・維持期と次の病期へ移行する際の情報提供には、診療情報提供書、看護要約(看護サマリー)、リハビリテーション紹介状(リハビリサマリー)などがありますが、多くの場合、医師から医師へ、看護師から看護師へ、リハビリ療法士からリハビリ療法士へなど同職種間の情報伝達が主であり、全体像がつかみにくい現状があると言えます。これらの地域連携のシステムや具体的な診療計画を、患者さんや家族にわかりやすく説明し、同意・納得を得られているかという点についても十分な配慮をする必要があります。

 これらの課題を改善するツールとして、「脳卒中地域連携クリティカルパス」(以下「連携パス」)があります。当地域におきましては、出水郡医師会と協議し平成21年末から連携パスの運用を行い、運用開始から毎年、年3回の「出水地域脳卒中連携ネットワーク研究会」を開催し、多数の医療機関、他職種の方にご参加いただき、出水地域の更なる地域連携を図るための情報・意見交換を行っております。

 また、当院では平成26年11月から、連携パスの管理体制の簡素化、他職種での情報共有の効率化として、電子カルテ内での連携パス管理も行ってきましたが、新型コロナ感染流行により定期的会合もできなくなり連携体制も不十分となってきていました。現在、当院脳神経外科の常勤が一人体制になったこともふまえ、広域医療センター脳神経外科園田部長が中心となり、連携パス内容の見直しと、情報を紙ベースではなく、データとしてCD-Rでのやり取りを行う方針で改善を進めているところです。

 今後も出水地域全体の脳卒中診療の基幹病院としての役割を果たしながら、脳卒中連携パスを通して、地域の他の医療機関、施設と情報を共有しながら、患者さんにより良い医療の提供に努めて行きたいと思います。


呼吸ケアサポートチームの活動について


臨床工学技士・呼吸療法認定士  塩山 貴志   

 呼吸サポートチームは、人工呼吸器管理中の患者さんの問題点や改善点をチームで検討し、より良い解決が得られるように支援するための組織です。
 チームは麻酔科医師1人、救急認定看護師1人、理学療法士4人、臨床工学技士1人で構成されています。
 私たちの主な活動は、患者さんが人工呼吸の治療を開始した時点で活動スタートとなります。 患者さんの状態を把握するための回診、ミーティングなどを行い、患者さんが人工呼吸による治療を安全に受けられるよう、それぞれの専門職の意見を出し合い、チームとしてケアを行っており、院内での呼吸療法の質の向上を目指しています。
 今後の目標は院内教育活動の充実、院内の呼吸療法マニュアルの整備等に携わりたいと思っております。

資格・認定等

薬剤科

日本糖尿病療養指導士        3名
認定実務実習指導薬剤師        3名
日本薬剤師研修センター認定薬剤師  7名
日本病院薬剤師会生涯研修認定薬剤師 7名
医療環境管理士           1名
医療情報技師            1名
日本医療薬学会がん指導薬剤師    1名
日本医療薬学会がん専門薬剤師    1名
NST専門療法士          1名
日本医療薬学会認定薬剤師      1名

放射線技術科

シニア放射線技師          2名
医用画像情報管理士         2名
放射線管理士            2名
放射線機器管理士          2名
アドバンスド放射線技師       1名
検診マンモグラフィ撮影認定技師   2名

栄養科

栄養サポートチーム専門栄養士   3名
糖尿病療養指導士         2名

臨床工学科

透析技術認定士          1名
3学会合同呼吸療法認定士     1名
植え込み型不整脈デバイス認定士   1名
心電図検定3級          1名

臨床検査科

NST専門臨床検査技師           2名
日本糖尿病療養指導士           1名
認定輸血検査技師             1名
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者 1名
認定一般検査技師             1名

リハビリテーション技術科

がんのリハビリテーション研修会修了   4名
医療安全管理者             1名
3学会合同呼吸療法認定士        6名
心臓リハビリテーション指導士      1名